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シリーズファンが観た「映画版アンチャーテッド」感想

公開から約2週間、やっと映画版アンチャーテッドを観ることが出来ました。アンチャーテッドシリーズのファン視点で感想を綴っていきます。

字幕か吹き替えか

登場キャラクターがゲームの日本語音声と同じ声優なら吹き替えを選んだんですが、キャラクターを演じた俳優の吹き替えを他作品でも務めている声優による吹き替えだということで、字幕版にしました。

もちろん英語音声もノーラン・ノースではなくトム・ホランドなんですが、これはゲームのアンチャーテッド続編ではなく映画作品なのでトム・ホランドのネイサン・ドレイクとして鑑賞に臨みました。

映画冒頭とアンチャーテッドリメイクへの期待

冒頭にストーリー中盤のインパクトがあるシーンを持ってくる、という構成は「黄金刀と消えた船団」や「海賊王と最後の秘宝」と同じでしたね。アンチャらしさが出ていて良かったです。

孤児院のシーンは「海賊王と最後の秘宝」の最初のチャプターを連想させてくれました。映画版はゲームシリーズに連なるものではないと思うんですが、ノーティドッグは舞台で演じられたThe Last of Usの後日談をほぼそのままThe Last of Us Part IIに持ってくるという作品作りをしています。過去に頓挫したらしいアンチャーテッドシリーズのリメイクが再始動するなら、ドレイク卿の指輪を手に入れる経緯が再構築され今作でのサムと別れるシーンが追加されるかもしれません。

序盤と中盤でドレイク兄弟の父とクロエの父がゲームとは正反対と言える性格の持ち主として言及されていましたね。このあたりの親子関係もリメイクでは変化があるかも、と感じました。

ゲームシリーズとは違うネイト

青年ネイトが登場するバーのシーン、ちょっとゲームのネイトとは違うなという印象でした。バーテンダーとして働いていることもそうですが、一見客が身につけている古代の遺物でも何でもないアクセサリーをくすねるかなと。作中でもクロエに言われていましたが、ネイトは基本的に善人なんですよね。

もちろんゲームシリーズでのネイトも、特に孤児院を出た後はいろいろと汚いことをして兄弟二人で生き抜いてきたとは思うんですが、今作ではバーテンダーという仕事を持っていて食うに困っているわけではないでしょう。そのネイトが金のためか技を磨くためかは分かりませんが一般人を相手に盗みを働くというのは首をかしげました。

映画の演出として、観客にスリの小技に長けていることをアピールする意図だったにしても他にやり方がなかったかなと。

アンチャ要素を詰め込んで2時間にまとめたアンチャーテッド

とはいえ気になったのはその程度で、あとはアクションアドベンチャー映画として楽しめました。突っ込みどころはもちろんあるんですが、細かい部分を気にしながら観る作品ではないでしょう。超常現象的な要素がないのも納得できます。

地図を盗みに博物館に侵入するシーンからオークション会場でのお宝奪取、聖堂地下の探索、ヘリコプターによるお宝の引き上げなどなどゲームのオマージュが随所に見られてシリーズファンとしては見所満載でした。Uncharted Comicのクロエが置き手紙を残して部屋を去るシーンすらオマージュしてくるとは驚きです。ゲームの一作目と映画の一作目でまとまったお宝を手に入れたサリーとネイト、というのも映画の続編があるなら注目点ですね。そういえば「海賊王と最後の秘宝」のサムはサリーにもエイブリーのコインを渡したんでしょうか。

そのサリーとサムのジョーク"Well,well,well."をネイトが言ってくれるというファンサービスもありました。字幕表示は「人生いどいど」ではなかったので吹き替えは違ったのかもしれません。せっかく水に浸かるシーンがあったのでMarco-Poloゲームも盛り込んで欲しかった……というのはシリーズファンのわがままですね。

ゲームでネイト役を務めたノーラン・ノースも出番がありましたね。吹き替えは東地宏樹さんだったりしたんでしょうか。アンチャーテッドシリーズをプレイ済みの観客にとってはニヤリとさせられるシーンが多く、満足感が高い内容だったと思います。

船上での戦闘はネイト陣営だけでなくブラドックの部下たちも見応えがあり、コントローラーを握って操作したくなるアクションシーンでした。ロープを使って船から船に飛び移るのは「海賊王と最後の秘宝」に似たシーンがあり、ネイトがやってくれると嬉しかったですね。笑

続編への期待

絵はがきを書くサムやサリーがヒゲをたくわえて登場するエピローグは続編を示唆する内容にも受け取れましたが、シリーズファンとして気になったのはネイトがローマン配下の眼帯の男から奪った金色の銃です。Eye of Indraではキーアイテムとなった黄金銃の持ち主といえばエディ・ラジャですが、眼帯の男がエディなんでしょうか?だとしたらゲームとは全くイメージが違うので困惑気味です。笑

総じて、ゲームシリーズとは設定が大きく異なるもののアンチャ要素を盛り込んだ単独作品として面白いアクションアドベンチャーでした。続編があるなら歓迎です。
もちろんゲームと比べて上映時間の制約が非常に大きいことは分かるんですが、強いて挙げれば続編ではお宝だけではなく古代都市を見つけて欲しいです。あとネイトが断崖絶壁をライミングしながらブツブツと独り言を言うシーンにも期待したいですね。アンチャーテッドと言えば古代都市での大冒険、アンチャーテッドと言えばクライミングなので。